CD Baby の代替サービス:レーベルとプラットフォームのためのインフラ
結論から言うと、CD Baby が売っているのは、自分の音源を自分でリリースするアーティスト向けのコンシューマー製品です。リリースごとに1回の料金、サブスクリプションなし、そして同社の公開値によれば、デジタル配信収益の91%が顧客の手元に残ります。LabelGrid が売っているのは、レーベル、所属アーティスト、あるいはプラットフォームが動くためのインフラです。セルフサーブの配信、ホワイトレーベルポータルの Imprint、そして API の Engine。シングル1枚を出すアーティスト1人にとっては、CD Baby のほうが当社のどの製品より安く、手順も簡単です。下の表にある CD Baby の値は、いずれも同社自身の公開ページから取得しています(2026年9月23日閲覧)。
あなたの音楽を配信してよいのは誰ですか?
CD Baby の Digital Distribution Addendum にはこう書かれています。「While selling Your Content on the Website is nonexclusive (meaning you have the right to sell your music and videos directly), the rights granted by you to us under this Digital Distribution Addendum are exclusive with respect to serving as your authorized representative for distributing Your Content to third party distributors for online redistribution, because online retailers (e.g., iTunes, Amazon, etc.) will refuse content that may be delivered by multiple parties.」LabelGrid が受け取るライセンスは全世界・非独占です。同じ音源を同時に他社からも配信でき、契約終了後に独占が残ることもありません。
両社の公開ページから
7項目、すべてに出典
下記の CD Baby の値は、いずれも同社が公開しているページから取得したもので、出典は閲覧日とともに表の下にリンクしています。表を短くしているのは意図的です。当社側の公開資料がその項目について何も述べていない場合、片側だけで埋めるのではなく行ごと省いています。半分想像で作られた行は、行がないことより質が悪いからです。
| 項目 | LabelGrid | CD Baby |
|---|---|---|
| かかる費用 | 定額の年額プラン料金。すべての配信プランと API ティアについて価格を掲載。Pro と Custom Distribution はトラック上限を超えた分に1トラックあたりの料金が加算(年額$0.15と$0.25) | シングル1枚$9.99、アルバム1枚$14.99の1回払い。その収益の91%が顧客の手元に残ります |
| 顧客の手元に残る割合 | 標準 DSP ロイヤリティのうち Solo と Basic で85%、Pro で90%があなたの手元に残ります。Custom Distribution とすべての API ティアでは、LabelGrid の契約を通じて得た標準 DSP のロイヤリティの95%、あなた自身の DSP 契約または SOBO を通じて得た分は100%が手元に残ります | 顧客に91%、CD Baby に9%(同社の数字) |
| 支払いをやめた場合 | 年額のサブスクリプション。失効または未払いの状態が60日を超えた場合、どのプランでも LabelGrid がコンテンツを削除または撤回することがあります | 継続課金も年額料金もなし |
| 独占性 | 配信ライセンスは全世界・非独占。同じコンテンツを同時に他社からも配信でき、契約終了後に独占が残ることもありません | デジタル配信権は独占で許諾(同社 Addendum 第1条) |
| YouTube Content ID | YouTube Content ID の登録は、すべての配信プランで利用できます | YouTube Content ID による収益化を含む |
| ソーシャルと UGC の収益化 | ソーシャルと UGC の収益化は同じ Content ID 登録を通じて動き、すべての配信プランで利用できます | ソーシャル動画の収益化。別途 addendum による |
| アカウントに含まれるもの | 1つのバックエンドで動く3つの製品(セルフサーブの配信、ホワイトレーベルポータルの Imprint、API の Engine)。ロイヤリティ会計に加え、Basic 以上とすべての API ティアでアーティスト別の明細と自動の分配。さらに顧客自身が運用できるスマートリンク、Spotify のプリセーブ、リリース用ランディングページ | ディスカバリーツール、プレイリストへの推薦の検討、fast-pass verification、サポート、マーケティングツール |
上記のCD Babyに関する7件の値は、いずれも同社の公開ページから取得しています(2026-09-23閲覧): cdbaby.com/artist-agreement/, cdbaby.com/cd-baby-cost/, cdbaby.com/digital-distribution-addendum/, cdbaby.com/music-distribution/, cdbaby.com/music-distribution/get-on-youtube/. 同社の一次情報ページから確認できなかった項目は、推測せずに省略しています.
上限がどこにあるか
規模が大きくなると、それぞれの取り分はどう動くか
CD Baby が公開している数字は、どの規模でも同じ1つの料率です。価格ページには「We keep just 9% of your digital distribution revenue and you get the remaining 91%.」とあり、Digital Distribution Addendum はその基準額を「ninety-one percent (91%) of the net wholesale price actually received by us from our Licensees」(税引後)と定義しています。段階はありません。それが分かりやすさの理由の一つでもあります。
LabelGrid では、この取り分はプランの条件であり、プランに応じて動きます。顧客の手元に残る標準 DSP ロイヤリティは、Solo で85%、Basic で85%、Pro で90%です。Custom Distribution とすべての API ティアでは、LabelGrid 自身の契約を通じて得た標準 DSP のロイヤリティの95%が顧客の手元に残り、顧客自身の直接 DSP 契約または SOBO を通じて得た分は100%が手元に残ります。SOBO が使えるのはこれらのティアだけです。プラットフォームの費用にあたるのは定額の年額料金で、各プランの金額は料金ページに掲載しています。これはロイヤリティに比例して増えるのではなく、カタログの規模に応じて段階的に上がります。
あなた自身のサイトで
自社サイトに載せるカタログ
LabelGrid の WordPress プラグインは、リリース、アーティスト、ダウンロードゲートを6時間ごとに自社サイトへ取り込み、スマートリンクのランディングページ、Spotify のプリセーブ、ゲート付きダウンロードを作ります。すべての LabelGrid アカウントで追加費用なく動き、API プランは要りません。同じカタログには他に2つの経路からも届きますが、そちらには API プランが必要です。公開レジストリに公開している MIT ライセンスの MCP サーバー @labelgrid/mcp と、その相棒である @labelgrid/cli で、どちらも API プランとトークンを前提に公開 API 上で動きます。
レーベルとアーティストに
配信プランに含まれるもの
LabelGrid の配信プランは年額請求で、2つのメーターで規模が決まります。カタログのトラック数と、アカウントに入るレーベル数です。レーベルは Solo で1社、Basic で3社、Pro で5社、Custom Distribution で50社まで。レーベルごとにロゴ、既定ジャンル、Pライン、Cライン、配信先設定、明細行を個別に持てます。Pro はトラック上限を超えた分について1トラックあたり年額$0.15、Custom Distribution は$0.25です。成長分はロイヤリティの取り分が増える形ではなく、公開された単価として現れます。
どのプランにも含まれるもの。Dolby Atmos ミックスとハイレゾマスターの追加料金なしでの配信、すべての配信プランでの YouTube Content ID 登録(ソーシャルとユーザー生成コンテンツの収益化も同じ登録を通じて動きます)、無料で発行されてそのままあなたのものになる ISRC と UPC(同社の価格ページも「Free UPC barcode & ISRCs」として挙げています)、そして配信前に品質、メタデータ、権利を人が確認する体制(アカウントが自身の直接契約のみを通じて配信している場合を除きます)。自動の分配とアーティスト別の明細は Basic 以上とすべての API ティアで動きます。Solo にはどちらもありません。支払う相手が2人目になった瞬間に、この差が効いてきます。セルフサーブのプランは7日間の無料トライアルから始まるので、課金の前に最初のリリースを作り込めます。
ホワイトレーベル事業者に
アーティスト1人か、所属アーティスト全体か
所属アーティストやプラットフォームを回す仕事は、1枚のレコードを出す仕事とは別物です。その違いが最初に表れるのが、アカウントの形です。
料金ページの段階は、その会話の天井ではなく出発点です。それぞれに自分のレーベルを持ちたいアーティストを何千人も抱える事業者には、レーベルのボリューム価格を用意します。締結したカスタム契約の数字は、当社とその顧客の間にとどめます。
API を使う開発者に
ドキュメントを読んでから、プランを買う
インフラは1か月ではなく何年も使う前提で選ぶものなので、意味のある問いは「契約前にどこまで読めるか」です。LabelGrid の API ドキュメントは公開されていて、ログインも営業との打ち合わせも要りません。標準の3ティアは API ページに価格を掲載し、Custom API の開始価格も併記しています。サンドボックスは購入前ではなく、オンボーディング審査と KYC/KYB を経てプランが有効になった時点で使えるようになります。
カタログの出入りは DDEX で行い、その2方向は適用範囲が異なります。LabelGrid は、すべての配信プランで ERN メッセージ群を使って DSP へリリースとテイクダウンを送ります。ERN の取り込みは、一度きりのカタログ移行でも SFTP や S3 の継続フィードでも、API ティアと Custom Distribution で動き、有効化にはサポートの対応が必要で、有効にする場合は初回のセットアップ費用がかかります。送信側と受信側で対応するバージョンは同じ4つ、ERN 3.8.2、4.3.0、4.3.1、4.3.2 です。
メーターは契約後ではなく契約前に把握しておく価値があります。各ティアにはトラック上限、ポータル数、そして月間のロイヤリティ処理上限があり、どれかを超えると請求書に想定外の行が現れるのではなく、公開された段階を1つ上がる形になります。@labelgrid/mcp は MIT ライセンスで、8つのツールセットに30のツールを備えています。自分のカタログに向けるエージェント用ツールもまた、中身を読めるということです。
CD Baby が勝つところ
CD Baby を選ぶべき3つの理由
CD Baby のほうが良い答えになる3つの場面を、同社自身の公開ページから挙げます。そのうち1つは、当社の料金と突き合わせるまでは、このページの見出しになっていたかもしれない内容です。
このセクションは、当社が公開するすべての比較ページに置いています。信用できない比較には何の価値もありません。
どちらを選ぶか
CD Baby を選ぶ場合、LabelGrid を選ぶ場合
自分の音楽をリリースしていて、商取引の条件を1行に収めたいなら CD Baby です。同社の価格ページはそれを「RELEASE A SINGLE FOR $9.99 OR AN ALBUM FOR $14.99. NO SUBSCRIPTION FEES.」と示し、そこから生じるデジタル配信収益の91%が顧客の手元に残ります。1〜2年に1枚のペースでレコードを出していて、リリースの合間に年額プランを抱えたくないなら同社を選んでください。公開済みのカタログを、これ以上何も払わずにそのまま置いておきたい場合も同じです。それは同社の配信ページに明記されています。
配信と並べて出版管理も欲しい場合も同社です。その領域は同社の Publishing Administration Addendum が扱っています。LabelGrid は現在、出版管理も出版ロイヤリティの回収も提供していません。
LabelGrid を選ぶのは、管理する対象が1つのリリースではなく、カタログ、所属アーティスト、あるいはあなたの名前で動く他社のカタログになったときです。
どこを選ぶにしても、その前に
選ぶ相手に投げるべき7つの質問
他社と同じように、当社にも遠慮なくぶつけてください。
よくある質問
話をする前に、価格を見てください
すべての配信プランとすべての API ティアの価格は料金ページに掲載しており、セルフサーブのプランは7日間の無料トライアルから始まります。API ドキュメントはログインなしで読めます。アーティスト1人でレコードを1枚出すのなら、CD Baby のほうが買い物として簡単です。このページでも、それを何度かはっきり書きました。カタログや所属アーティスト、プラットフォームを回しているのなら、まず価格表から始めて、それからご相談ください。上の表にある CD Baby の値は、いずれも同社自身の公開ページから取得しています(2026年9月23日閲覧)。内容が古くなっていたり、不公平に読めたりする箇所があれば、お知らせください。訂正します。