SoundCloud for Artistsの代替:カタログを支えるインフラ
先に結論を。SoundCloud for Artists(旧称Repost by SoundCloud)は、SoundCloudが自社で運営するストリーミングサービス上の消費者向けサブスクリプションで、そこに配信機能が組み込まれています。LabelGridが売るのは、カタログの下側にあるインフラです。セルフサーブの配信、ホワイトレーベルポータルのImprint、APIのEngine。自分の音源を出すアーティスト1名なら、同社のほうが当社のどの商品より安く、わかりやすい選択です。下の表に並ぶSoundCloud for Artistsの値は、すべて同社の公開ページから取得し、リンクと閲覧日を添えています。
プランは何で測られるのか
同社が公開する階段は、アーティストごとにリリースのペースで配信を計測します。Basic Freeでは配信なし、月額$3.25のArtistで「2 tracks / month」、月額$8.25のArtist Proで「Unlimited」。LabelGridが測るのはカタログとレーベル数です。Soloは1レーベル、Basicは3、Proは5、Custom Distributionは50。レーベルごとに独自の初期設定を持ち、明細にも独立した行が立ちます。旧譜は月ごとの順番待ちではなく、トラックとしてそのまま入ります。
同社のページ、当社のページ
両社が公開している内容を、行ごとに
以下のSoundCloud for Artistsの値は、いずれも同社の公開ページから取得したもので、表の下にリンクと閲覧日を記載しています。同社の公開資料で触れられていない項目は、推測せずに行ごと省いています。
| 項目 | LabelGrid | SoundCloud for Artists |
|---|---|---|
| その会社が売っているもの | 1つのバックエンドで動く3製品。セルフサーブの配信、ホワイトレーベルポータルのImprint、APIのEngine。レーベル、所属アーティスト、プラットフォームが土台にするインフラです。LabelGridは消費者向けストリーミングサービスを運営していないので、自社サービス上の聴き手も、自社サービス上の再生収益もありません | 自社で運営するストリーミングサービスに組み込まれた配信 |
| 料金 | 年額固定のプラン料金。すべての配信プランとAPIティアで公開されており、セルフサーブのプランには7日間の無料トライアルが付きます。ProとCustom Distributionはトラック数の上限を超えた分にトラック単位の料金が加わります(年間1トラックあたり$0.15と$0.25) | $3.25/月、年払い($39/年) |
| リリースできる量 | 月ではなくカタログとレーベル数で計測。セルフサーブの各プランはトラック数の上限とレーベル数の上限を持ち(Solo 1レーベル、Basic 3、Pro 5、Custom Distribution 50)、Custom Distributionは2,000トラックから始まり、契約の中で無制限まで引き上げます。月ごとのリリース本数の枠はどのプランにもありません | 配信:Basicはなし、Artistは月2曲、Artist Proは無制限 |
| 顧客の手元に残る割合 | DSPロイヤリティのうち、SoloとBasicでは85%、Proでは90%がお客様に残ります。Custom DistributionとすべてのAPIティアでは、LabelGridのDSP契約を通じて得たロイヤリティの95%、お客様ご自身のDSP契約またはSOBO経由で得た分は100%がお客様に残ります。LabelGrid自身の契約を通じて得たContent IDとUGCの収益は、80%がお客様に残ります | 2025年11月以降、配信と収益化の収入の100% |
| 支払いを受け取るための費用 | 支払いの実行にLabelGrid自身の手数料はかかりません。どのプランでも支払い・処理・出金・送金ごとの手数料は一切ありません。銀行側の送金手数料と為替の費用は引き続きお客様のご負担です | 支払いごとの処理手数料、「as low as $0.50 USD」 |
| YouTube Content ID | YouTube Content IDの登録はすべての配信プランで利用できます。Content IDとUGCの収益は80%がお客様に残り、LabelGridの手数料は20%です | Artist($3.25/月)とArtist Proに含まれる |
| 共同制作者との分配 | 自動の分配とアーティスト別明細はBasic以上とすべてのAPIティアで。LabelGridが明細を発行し、共同制作者への支払いもプラットフォームから行います。Soloにはどちらも付きません | ロイヤリティの分配:Artist Proのみ($8.25/月) |
| APIは何のためのものか | Engineは配信APIです。リリースを作成し、ストアへ届け、ロイヤリティと分析のデータを同じ公開ドキュメント付きAPIから取得できます。DDEX ERNのインポート(3.8.2、4.3.0、4.3.1、4.3.2)はAPIプランとCustom Distributionで使え、npmにはオープンソースのMCPサーバーもあります。サンドボックスはAPIプランが有効になった時点で開きます | SoundCloudへのアップロードと再生のためのAPI |
| 複数アーティストの運営 | 複数のアーティストを前提にした設計。レーベルごとに独自の初期設定、配信設定、明細の行を持ち、Imprintはお客様自身のブランドをお客様のドメインに載せ、エンドカスタマーごとに独立したワークスペースを用意します。APIティアが数えるのはエンドカスタマー向けポータルで、Starter APIで5、Growth APIで25、Scale APIで100、Custom APIは無制限です | 取得したページが示すのはアーティスト単位のサブスクリプションの階段 |
上記のSoundCloud for Artistsに関する9件の値は、いずれも同社の公開ページから取得しています(2026-09-23閲覧): developers.soundcloud.com/docs/api/guide, soundcloud.com/getstarted/distribution, soundcloud.com/getstarted/pricing。同社の一次情報ページから確認できなかった項目は、推測せずに省略しています.
APIは何のためのものか
2つのAPI、2つの異なる仕事
SoundCloudはバージョン管理されたAPIを公開しています。公開ドキュメント、API Explorer、変更履歴、OpenAPIの資料が揃い、認証はOAuth 2.1、認可コードの交換にはPKCEが必須です。同社のガイドは自らその範囲をこう定めています。「The SoundCloud API provides endpoints for authentication, track upload and playback, social features, and search.」章立ては、トラックのアップロード、再生、コメント、フォローといいね、検索とページネーション。SoundCloudに音源を置いて読み出すためのAPIであり、その用途ではよくできています。
Engineは配信APIです。リリースを作成し、ストアへ届け、ロイヤリティと分析のデータを同じ公開ドキュメント付きエンドポイントから返します。DDEX ERNのインポートは3.8.2、4.3.0、4.3.1、4.3.2に対応し、APIプランとCustom Distributionで使えます。どちらのドキュメントもログインなしで読め、当社のサンドボックスはAPIプランが有効になった時点で開きます。
両社を分ける金銭面の行が1つあり、これは実際の大きさのまま書いておく価値があります。SoundCloudは、アーティストが支払いを受け取るたびに決済処理業者への手数料が受取額から差し引かれることを、100%という取り分と同じ段落で開示しています。金額は「as low as $0.50 USD」。LabelGridは支払いの実行にあたって自社の手数料を一切上乗せしませんが、銀行側の送金手数料と為替の費用はお客様の負担のままです。2つ目のレーベル、旧譜のカタログ、配信APIが必要になる水準に届かないうちは、月2曲で年$39という同社のほうが良い買い物です。
営業ではなく、道具の話
自分のサイトに自分のカタログを
LabelGridのWordPressプラグインは、リリース、アーティスト、ダウンロードゲートを6時間ごとにお客様のサイトへ取り込み、スマートリンクのランディングページ、Spotifyのプリセーブ、ゲート付きダウンロードを生成します。追加費用なしですべてのLabelGridアカウントで動き、APIプランは要りません。同じカタログには、MITライセンスで公開レジストリに載っているMCPサーバー@labelgrid/mcpと、その相棒の@labelgrid/cliからも到達できます。こちらは公開APIの上で動くため、APIプランとトークンが必要です。
レーベルとアーティストのために
配信プランに含まれるもの
LabelGridの配信プランは、機能一覧が紐づいた年額の公開料金です。セルフサーブのプランには7日間の無料トライアルが付きます。DSPロイヤリティのうち、SoloとBasicでは85%、Proでは90%がお客様の取り分として残ります。Custom DistributionとすべてのAPIティアでは、LabelGrid自身のDSP契約を通じて得たロイヤリティの95%、お客様ご自身のDSP契約またはSOBO経由で得た分は100%がお客様に残ります。SoundCloud for Artistsは有料2プランのいずれでも配信と収益化の収入の100%がアーティストに残ると明記しており、表向きの率では当社のセルフサーブの階段より同社が上です。そこを取り繕うつもりはありません。
プランの上に積むのではなく、最初から含まれるもの。Dolby Atmosのミックスとハイレゾマスターは、すべての標準プランとすべてのAPIティアで追加料金なし。ISRCとUPCも追加費用なしで、解約後もお客様のものです。YouTube Content IDの登録はすべての配信プランに付き、Content IDとUGCの収益は80%がお客様に残り、LabelGridの手数料は20%です。自動のロイヤリティ分配とアーティスト別明細はBasic以上とすべてのAPIティアで動き、Soloにはどちらも付きません。すべての配信プランで、配信前に品質、メタデータ、権利を人が確認します。アカウントが審査免除の承認を受けている場合を除きます。
アカウントの構造
2つの構造を並べてみる
他人の音源を預かる仕事と、自分の作品を出す仕事は別物です。両社は同じ市場の反対側から、この問いに答えています。
当社の形にも代償があります。レーベルのお客様は、管理すべきアーティストの階層を最初から与えられるわけではありません。レーベルもエンドカスタマーも、ひとつずつ意図して設定する単位です。アーティスト用アカウント1つよりは手間がかかり、だからこそアーティスト1名にこの手続きを踏ませようとは思いません。
API利用者のために
配信APIの上に作る
Engineも他の料金表と同じように公開しています。Starter API、Growth API、Scale APIはそれぞれ年額固定料金、トラック数の上限、エンドカスタマー向けポータル数(5、25、100。Custom APIは無制限)を持ち、月間の処理ロイヤリティ額の上限はそれぞれ$35,000、$115,000、$350,000です。継続的に超過しても超過料金は発生せず、次のティアについての相談が始まります。標準のAPIティアはサポート経由でポータルの追加パックを1つだけ足せます。Starterで5、Growthで10、Scaleで25と固定で、1パックを超えたら答えは次のティアです。
ポータル数とレーベル数は別のメーターです。セルフサーブのプランでは1つのアカウント内のレーベル数を数え、APIティアではお客様が他社のために運営するエンドカスタマー向けポータルの数を数えます。ドキュメントはログインなしで読め、サンドボックスは購入前ではなくAPIプランが有効になった時点で開きます。SFTPまたはS3経由のDDEX ERNインポートはAPIプランとCustom Distributionで動き、有効化する場合は初回設定費用がかかります。当社のMCPサーバーは@labelgrid/mcpとしてMITライセンスでnpmに公開し、公開MCPレジストリにも掲載しています。同じ公開APIを包む@labelgrid/cliも合わせてどうぞ。
同社が勝っているところ
SoundCloud for Artistsを選ぶ3つの理由
SoundCloud for Artistsのほうが良い答えになる3か所を、同社の公開ページから挙げます。うち2つは、当社のセルフサーブの階段では並べない金銭面の行です。
この節は、当社が公開するすべての比較ページに必ず置いています。信用できない比較に価値はありません。
正直な線引き
SoundCloud for Artistsを選ぶ場合、LabelGridを選ぶ場合
自分の音源を出すアーティスト1名で、ストアまでの一番安い正直な道が欲しいなら、SoundCloud for Artistsです。同社の料金ページは月2曲で「$3.25 / month, billed yearly for $39」、Artist Proは「Unlimited」で「$8.25 / month, billed yearly for $99」としており、2025年11月以降はどちらのプランでも配信と収益化の収入の100%がアーティストに残ります。プランの中にYouTube Content IDが入っていることが重要なら、同社を選んでください。月2曲が付く月額$3.25のArtistプランから含まれます。LabelGridではその収益の80%がお客様に残り、当社の手数料は20%です。
届けたい相手がすでにSoundCloudにいるなら、同社を選んでください。配信は同社が所有するストリーミングサービスの中にあるので、リリースはそこでフォローしている人の前に出ますし、SoundCloud上の再生はFan-Powered Royaltiesで支払われます。これはSoundCloud上の再生に限った話で、SpotifyやApple Musicその他には及びません。LabelGridに同じものはありません。当社はストリーミングサービスを運営していないからです。
LabelGridを選ぶのは、扱う対象が自分のリリースではなくなり、カタログ、所属アーティスト、あるいは自分の名前の下で動く他人のカタログになったときです。
契約する前に
どのプラットフォームにも聞くべき7つの質問
配信プラットフォームに投げかける価値のある7つの質問です。当社も例外ではありません。どの答えも、支払う前に公開ページで確かめられるはずです。
よくある質問
話す前に、価格を見てください
すべての配信プランとすべてのAPIティアは料金ページに価格を載せています。セルフサーブのプランには7日間の無料トライアルが付き、Engineのドキュメントはログインなしで読めます。年に数曲を出すアーティスト1名なら、SoundCloud for Artistsのほうが簡単な買い物です。このページでは何度もそう書いてきました。カタログや所属アーティスト、あるいは他人のリリースを預かっているなら、まず料金表を読んで、それからご相談ください。上の表にあるSoundCloud for Artistsの値は、すべて同社の公開ページから2026年9月23日に取得したものです。古くなっていたり、不公平に読める箇所があれば、教えていただければ訂正します。