月曜の朝、レーベルのマネージャーは「先週、所属アーティスト全体としてどうだったか」を知りたいと考えます。Spotify for Artistsでは所属アーティストを1組ずつ一覧できますが、Spotify自身がカタログ全体の概要は表示できないとしています。Apple Music for Artistsは更新のタイミングが異なります。Deezer for Creatorsでは、creators.deezer.comでオーディエンスとリリースごとのパフォーマンスを確認できます。
それこそが、レーベル向けストリーミング分析の本来の役割です。リスナーの定義も、更新のタイミングも、アーティスト用ログインも共有していないストアのデータから、会議にそのまま持ち込めるカタログ単位・週単位の数値を作り出すことです。
Spotifyは、リスナーが1曲を30秒以上再生した時点でストリームとしてカウントします。時刻はすべてUTCで記録され、データは毎日UTC午後8時ごろに更新されます。Apple Musicは30秒を超える再生をPlayとして記録し、こちらもUTC基準で、新しいデータが表示されるまでに48時間かかります。以下では、3ストアがそれぞれ実際に何を報告しているのか、ロイヤリティ明細がグラフと一致しないのはなぜか、そして空白の日を架空の数値で埋めずに3ストアを合算する方法を説明します。
3つのアーティスト向けポータルでは、レーベル全体の問いに答えられない
各ストアは、リスナーが目にするアーティストを軸にダッシュボードを作っています。しかしレーベルの仕事はそうではありません。すべてのアーティスト、すべてのストアを合計したカタログの週間合計は、どこにも置き場所がないままです。
すべてにログインしたとしても、主要な指標同士がそもそも一致しません。Spotifyの「リスナー」は、選択した期間内にオーディオまたは動画を再生したユニークな人数です。Appleが公開しているのはAverage Daily Listenersで、選択した期間内の1日あたりユニークリスナー数の平均値、人数そのものではなく平均値(レート)です。「フォロワー」はまた別の指標で、アーティストプロフィールをフォローしている人の数です。Deezer for Creatorsも、独自に集計したユニークリスナー数を表示します。3つとも書き出すと、列名は同じ言葉に見えるのに中身は別物です。
グラフと明細は、そもそも別のファイル
カウントされた再生1回が、そのまま支払い対象の1行になるわけではありません。Spotify for ArtistsとApple Music for Artistsは、あくまで運用上のトレンドフィードです。ロイヤリティ明細はその後に届きます。明細は、ストアが権利者に送る利用報告ファイルであるDDEX Digital Sales Reportをもとに作成され、以降の支払いに使われます。ダッシュボードの数値は暫定値のままで、明細が届けば、それが支払いに使われる確定データです。明細がいつ届くかは、各ストアの報告スケジュールによって異なります。
音源はISRCで識別されます。ISRCが指すのは楽曲(作品)ではなく録音物そのものです。1回の再生から、原盤権の行と、それとは別の楽曲の権利の行が生じることもあります。収益を照合するなら、アナリティクスのグラフではなくロイヤリティ計算を使ってください。LabelGridがこの2つを意図的に分けているのは、アナリティクスは「何が動いたか」を、明細は「何が支払われるべきか」を示すためです。
Spotify・Apple Music・Deezerが実際に報告している内容
ディストリビューターがこの3つのフィードを取り込んだあとに誠実な対応となるのは、ストアが一度も送っていない指標を0として表示するのではなく、空欄として表示することです。以下は、同じカタログがすでに利用しているSpotify配信の仕組みと並べて、LabelGridが現時点でこの3ストアについて表示している内容です。
| 指標 | Spotify | Apple Music | Deezer |
|---|---|---|---|
| ストリーム / Play | あり(30秒以上) | あり(30秒超、Apple Musicラジオを含む) | あり |
| リスナー | トラックごとの1日あたりユニークリスナー数(日ごとに加算) | トラックごとの1日あたりユニークリスナー数(日ごとに加算) | 未報告 |
| 保存 | あり | ライブラリ追加(別のイベント) | 未報告 |
| 再生元の内訳 | 再生の流入元(プレイリスト、ライブラリ、検索など) | 未報告 | 未報告 |
| Shazam | 未報告 | あり、市・州別を含む | 未報告 |
| 国別ストリーム | あり | あり | あり |
| ストリームの年齢・性別 | あり | あり | 未報告 |
| リスナーの属性(デモグラフィック) | あり | この切り口では未対応 | あり |
| デバイス / OS | あり | 未報告 | デバイスとOS |
| プレイリスト掲載 | 名前・作成者・ストリーム数 | エディトリアルの名前と順位。再生数は未報告のことが多い | URLが解決できる場合、公開プレイリストへのリンク付き |
3ストアのうち、再生を流入元ごとに分けて示すのはSpotifyだけです。AppleならではのシグナルはShazamで、ライブラリ追加やエディトリアルプレイリストでの順位も加わります。Deezerは3つの中で最も項目が少なく、リスナー合計、保存、Shazam、流入元の内訳はいずれもありません。
これらの列を平均してはいけません。Shazamは保存ではありません。再生数のないAppleのエディトリアル行は、再生ゼロのプレイリストではありません。合算モードは、指標ごとにその指標を報告しているストアの数値を合計し、報告していないストアを明示します。そのため、1つのストアしか報告していない指標は、合算表示でもそのストアの数値のままです。
所属アーティスト全体を1つのダッシュボードで
Spotify・Apple Music・Deezer、そしてフィードを報告しているすべてのストアを、合算・比較・単体表示で確認できます。7日間の無料トライアル。
料金プランを見る架空の日を作らずにストアを合算する
LabelGridのストリーミング分析ダッシュボードは、アーティストのログインではなくカタログを起点に設計されています。上部のフィルター(ストアモード、期間、対象範囲)はすべてのビューに適用されます。既定は合算モードで、カタログのデータを報告しているすべてのストアを1つの合計にまとめます。複数ストアを混ぜたグラフには注記が付くので、小さな数値が実は1ストアだけの値だった、という見落としは起きません。比較モードでは2つ以上のストアを別々の系列として表示します。「すべてのストア」も選べ、その場合は後から追加されたストアも自動で含まれます。単体表示モードでは、ダッシュボード全体をSpotify、Apple Music、Deezerのいずれか1つに絞り込みます。
現在ストリーミングフィードを報告しているストアは、Spotify、Apple Music、Deezer、Audiomack、Boomplay、AWA、Amazon Music、Kugou、Kuwo、QQ Musicです。このうち最初の7つは毎日データが届きます。Kugou、Kuwo、QQ Musicは週単位で、1トラックにつき1点、その週全体が1つの日付に載ります。LabelGridは、その1点から7日分の日次の値を作り出すことはしません。日次グラフでは点と点の間が空きますが、欠損ではなく正しい表示です。配信先はこのリストより多く、それ以外のストアでの動きは明細に反映されます。明細とアナリティクスは別系統のパイプラインだからです。
各カードには「集計済み日」というキャプションが付いており、その指標の集計が完了している最新の日付を示します。それ以降の日は破線で描かれます。主要ストアは通常1〜3日以内に1日分の集計を終えますが、規模の小さいストアはそれより時間がかかることがあります。この幅はあくまで観測上の傾向であり、期限を定めたものではありません。Spotify for Artistsは、新しいリリースの最初の7日間に限り、2秒ごとに更新されるライブのストリーム数を提供しています。ただし、これはSpotifyのサイト上だけの機能です。LabelGridも、AppleやDeezerも、カタログの1週間分をそのような形では公開していません。
データの欠落に見えて、実はそうではない落とし穴がもう2つあります。1つ目は、1か月のリスナー合計が日ごとのリスナー数の足し算だという点です。10日間再生した人は10とカウントされます。合計をユニークなファン数と読まず、日々の推移を見てください。2つ目は、属性別・都市別のグラフが、プライバシー保護の下限を下回るセルを「その他」にも回さずに除外する点です。そのため、小規模なカタログではストリーム数自体は健全でも、年齢層のグラフが空になることがあります。ソーシャルの活動(SoundCloud、Instagram、Snapchat、および同じタブ内のその他の項目)はまったく別系統の数値であり、DSPのストリーム数に合算されることは一切ありません。
Apple Musicのアナリティクス:レーベルからよくある2つの質問
Apple Musicのオーディエンスデータが、Spotifyより少ない国しか表示されないのはなぜですか?
多くの場合、配信の問題ではなく、Appleが小さな市場のデータを伏せているためです。Apple Musicは国別のストリーム数を報告していますが、Apple独自のプライバシー基準を下回る市場については、実際の数値ではなくストリーム数0・リスナー数0として送ってきます。LabelGridはAppleから届いたデータを表示し、伏せられた市場の数値を推計することはありません。これとは別に、LabelGridは属性別・都市別のグラフに独自の下限を設けており、最低限のオーディエンス数に満たないセルは「その他」にも回さずに除外されます。
Apple Musicのアナリティクスを提供しているディストリビューターは?
Apple Music for ArtistsはApple自身のダッシュボードです。音楽がApple Musicで公開されてから5営業日以上たつと、アーティスト本人またはマネージャーがApple上でアーティストページを申請できます。LabelGridはApple Musicのデータを毎日取り込み、ストリーム数、リスナー数、国別ストリーム、ストリームの年齢・性別、ライブラリ追加、エディトリアルプレイリストへの追加、Shazam(都市別を含む)を表示します。アナリティクスはすべてのプランに含まれています。
月曜日のカタログチェック
Analyticsを開いて合算モードのまま、期間を直近7日間、粒度をAutoに設定します。パフォーマンスのビューで、どのリリースやトラックが動いたかがわかります。破線部分は、「集計済み日」が追いつくまで気にしなくてかまいません。火曜日の会議が特定のキャンペーンの話なら、比較モードに切り替えてSpotify・Apple Music・Deezerを選び、そのリリースだけを見てください。Spotifyだけが急上昇してAppleは横ばい、というのは、3ストアすべてで伸びている場合とはまったく別の話です。
ディスカバリーは掲載状況のカードで、エディトリアルやユーザーのプレイリスト、ステーション、チャートをまとめて表示します。ストアフィルターはSpotify・Apple Music・Deezerに限られます。知りたいことがSpotify固有(再生の流入元)やApple固有(Shazam、エディトリアルでの順位)なら、単体表示モードを使ってください。これらの指標は他の2ストアには存在しないため、合算モードで正しく足し合わせられるものがありません。
トップパフォーマーは、同じフィルター条件でリリース・トラック・アーティストをランキング表示します。先週の結果が1曲のシングルに集中していたのか、それとも幅広く分散していたのかを見るには、これが一番の近道です。確認はここまでで十分です。明細は独自のスケジュールで届き、このグラフとは一致しません。両方を用意しているのは、まさにそのためです。
よくある質問
Spotify for Artistsの数値が、ロイヤリティ明細と一致しないのはなぜですか?
両者は別のデータから作られています。Spotify for Artistsは毎日更新される運用上のトレンドフィードです。一方、ロイヤリティ明細は別系統のDDEX Digital Sales Reportサイクルから作成され、支払いに使う確定済みの利用実績にあたります。LabelGridでも同じ考え方で分けています。アナリティクスはトレンドの把握用、明細は金額の確認用です。
Spotify・Apple Music・Deezerのアナリティクスを1つのダッシュボードで見ることはできますか?
はい、可能です。LabelGrid Analyticsは既定で合算モードになっており、カタログのフィードを報告しているすべてのストアの合計を表示します。比較モードでは、Spotify、Apple Music、Deezerなどを別々の系列として並べて表示します。単体表示モードでは、ダッシュボード全体を1つのストアに絞り込めます。アナリティクスはすべてのプランに含まれています。
直近2日間のストリーム数が少なく見えるのはなぜですか?
主要ストアは通常1〜3日で1日分の集計を完了しますが、フィードがその日のデータを一部だけ先に届け、残りは後から届くこともあります。各カードには「集計済み日」が表示されます。それ以降の日は破線の暫定値として描かれ、まだ数値が伸びることがあります。直近の落ち込みは、たいていの場合まだ集計が終わっていない日であり、再生が急減したわけではありません。
Apple MusicのPlayとSpotifyのストリームは同じ意味ですか?
両者はそのまま合算できる数値ではありません。Spotifyは30秒以上の再生を1ストリームとしてカウントし、累計値にはミュージックビデオの再生も含まれます。Appleは30秒を超える再生が発生した時点でPlayとして記録し、Apple Musicラジオ局での再生も含まれます。どちらのダッシュボードも日付はUTC基準のため、現地時間の夜にリリースすると、その日付の集計に入らないことがあります。
プレイリストへの採用状況を確認できるのはどのストアですか?
Spotify・Apple Music・Deezerの3ストアです。Spotifyの行にはプレイリスト名、作成者、ストリーム数が表示されます。Apple Musicのエディトリアル枠の行では、その楽曲の最高順位が表示される一方、再生数は表示されないことが多く、LabelGridではその場合を0ではなく「未報告」として表示します。Deezerの行は、URLが解決できる場合に限り、該当の公開プレイリストへのリンクになります。
Apple Musicのオーディエンスデータが、Spotifyより少ない国しか表示されないのはなぜですか?
多くの場合、Apple独自のプライバシー基準によるものです。Apple Musicは国別のストリーム数を報告していますが、基準を下回る市場はストリーム数0・リスナー数0として届き、LabelGridは推計せずにAppleから届いた数値を表示します。これとは別に、LabelGridは最低限のオーディエンス数に満たない属性別・都市別のセルを、「その他」にも回さずに除外します。
Apple Musicのアナリティクスを提供しているディストリビューターは?
Apple Music for ArtistsはApple自身のダッシュボードで、音楽がApple Musicで公開されてから5営業日以上たった後に、アーティスト本人またはマネージャーがAppleで申請します。LabelGridはApple Musicのデータを毎日取り込み、ストリーム数、リスナー数、国別、年齢・性別、ライブラリ追加、エディトリアルプレイリストへの追加、Shazamをすべてのプランで表示します。
はじめかた
app.labelgrid.comにサインインし、Analyticsを開いてください。パフォーマンスのビューがカタログの週次データにあたります。合算モードのまま、期間を直近7日間に設定し、破線の日を「落ち込み」と判断する前に「集計済み日」のキャプションを確認してください。ストアモードや集計の遅れについての詳細は、Analyticsのヘルプ記事に記載されています。7日間のトライアルを含むプランは料金ページをご覧ください。複数アーティストのカタログに合わせたインフラを検討している場合は、レーベル向け音楽配信から始めてください。